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2015 年度 実施状況報告書

PETプローブを用いたがんの代謝の解明と測定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K19834
研究機関国立研究開発法人放射線医学総合研究所

研究代表者

岡田 真希  国立研究開発法人放射線医学総合研究所, 分子イメージングセンター, 研究員 (00415407)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードグルタミノリシス / 2-ヒドロキシグルタル酸 / IDH
研究実績の概要

ヒトグリオーマ細胞LN-18を用いてIn vitro放射能取り込み実験を行った。培養がん細胞に11C酢酸を添加し、10分後に細胞を回収し、放射能をオートガンマカウンタで測定した。増殖に必要な栄養素として、グルコース、グルタミンが想定されるが、これらを除去した培地を用いて比較検討した。また、システムL、グルタミン酸、アスパラギン酸等、放射能の取り込みもしくは代謝に影響を与えると想定される因子を添加し、それらによる変化を測定した。グルタミン含有培地では不含有培地に比べて、11C酢酸の取り込みが多い傾向にあったがグルコースの有無による変化は見られなかった。システムA輸送体阻害剤、アスパラギン、アスパラギン酸によって11C酢酸の取り込み減少の傾向が見られた一方、グルタミン酸、乳酸によって11C酢酸の取り込みの増加傾向が見られた。 今後、取り込まれた11C酢酸がどのように代謝されるかまた細胞外液中にどのような放射性代謝物が存在するかを液体クロマトグラフィで分析する。対象物は、エネルギー代謝関連産物であるTCAサイクル中間生成物およびグルタミン、グルタミン酸等のアミノ酸、さらに、がん特異代謝物である2-ヒドロキシグルタル酸を一斉に分析できる分析条件を親水性相互作用クロマトグラフィやイオン交換クロマトグラフィ、サイズ排除クロマトグラフィ等の手法で検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初は、11C酢酸以外にも13Nアンモニア、11C酢酸ベンジルを用いた腫瘍選定を行う予定であったが、文献からグルタミン依存性の腫瘍細胞、IDH変異細胞の選定とその培養培地の選定(一般の市販培地ではグルタミン不含培地が得られなかったため)に時間がかかったため。
また、細胞培養手技および、in vitro系の放射性薬剤使用実験手技の習得に時間を費やしたため。
使用していた2-ヒドロキシグルタル酸がメーカー側から「中身が異なる」旨の連絡があり、交換になったため。

今後の研究の推進方策

引続き11C酢酸を用いた実験を行うと共に13Nアンモニア、他の細胞を用いた実験を行う。また、溶媒抽出法などにより、11C酢酸が脂肪酸への生合成へ使用される割合とアミノ酸などへ代謝される割合を求める。また同時に取り込まれた放射能の代謝分析を行う。腫瘍細胞にsiRNA等で特定遺伝子のノックダウンを行い、同様の標識薬剤の取り込みや代謝の変化を測定する。2-ヒドロキシグルタル酸をターゲットとした新規プローブの探索を14C標識体などを用いて行う。

次年度使用額が生じた理由

学会発表等に至らなかったため。腫瘍細胞を1種類しか購入しなかったため。

次年度使用額の使用計画

現在所有している腫瘍細胞の他の腫瘍細胞を選定し、購入する。2-ヒドロキシグルタル酸を標的とした新規プローブの探索に向け14C標識体を購入する。

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公開日: 2017-01-06  

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