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2016 年度 実施状況報告書

PETプローブを用いたがんの代謝の解明と測定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K19834
研究機関国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

研究代表者

岡田 真希  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 標識薬剤開発部, 研究員(任常) (00415407)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード2-ヒドロキシグルタル酸 / α-ケトグルタル酸 / 11C酢酸
研究実績の概要

<in vitro培養細胞系を用いた11C酢酸の代謝物測定>
ヒトグリオーマ細胞LN-18を用いてIn vitro放射能取り込み実験を行った。培養がん細胞に11C酢酸を添加し、細胞中および細胞外液中における11C酢酸の代謝物を測定した。まずBligh & Dyer法によって脂質抽出を行い、脂質と脂質以外(水溶性代謝物:主に有機酸と想定される)の放射能の割合を測定したところ、11C酢酸添加10分後では70%以上が水溶性代謝物であったが、30分後には30%以下まで減少していた。この水溶性代謝物を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、添加した11C酢酸以外の代謝物が見られたが、代謝物の同定には至らなかった。
<2-ヒドロキシグルタル酸をターゲットとした新規プローブの開発>
イソクエン酸脱水素酵素(IDH)変異によって生じるオンコメタボリットである2-ヒドロキシグルタル酸のイメージングを目的とし、候補化合物の探索および、11C標識合成を行った。候補化合物として当初1位の炭素標識α-ケトグルタル酸([1-11C]α-ケトグルタル酸)を想定していたが、α-ケトグルタル酸は細胞透過性がよくないため脂溶性化合物等細胞透過性のよいα-ケトグルタル酸の前駆体化合物を用いることとした。iv vitroで細胞内α-ケトグルタル酸濃度を増加させる前駆体化合物として報告のあるα-ケトグルタル酸のオクチルエステル(オクチル-[1-11C]α-ケトグルタル酸)を候補化合物としオクチル-[1-11C]α-ケトグルタル酸の合成条件を検討した。非標識合成法と同様にホスゲンを反応中間体として用いた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

11C酢酸代謝物の分析条件検討および代謝物の同定検討に時間がかかったため。
また、放射性薬剤の標識合成の知識および技術の習得に時間を費やし、さらに、Octyl-[1-11C]α-KG合成が予定通りに進んでいないため。

今後の研究の推進方策

2-ヒドロキシグルタル酸をターゲットとした新規プローブの探索および合成を行う。Octyl-[1-11C]α-KGの標識合成では、効率的な[11C]クロロギ酸エステルの合成条件の探索や、他の合成経路からのOctyl-[1-11C]α-KGの合成を試みる。さらに、Octyl-[1-11C]α-KGだけでなく、他のα-ケトグルタル酸の前駆体化合物や、[1-11C]α-KGの標識合成も検討する。これら放射性薬剤の合成ができれば、in vivo腫瘍イメージングを行う。

次年度使用額が生じた理由

学会発表等の研究報告に至らなかったため。

次年度使用額の使用計画

新規プローブ探索・合成のため14C同位体および分析カラムを購入する。
腫瘍細胞および抗体を購入する。

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公開日: 2018-01-16  

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