研究課題
我々の持つアレイCGHの技術によって腫瘍内不均一性およびクローン交替を検出できるかを調べるため、病理形態学的に特徴的な形質をもつ乳腺扁平上皮癌(SCC)と通常型乳癌(NST)の混合癌においてcytogeneticな解析を継続した。これにより、稀な疾患である乳腺扁平上皮癌の細胞遺伝学的プロファイルが明らかになったとともに、腫瘍間不均一性、腫瘍内不均一性ともに大きいことが明らかになった。また、1例の混合癌においてSCC部がNST部より発生したことを示唆する所見を得た。この結果はBreast Cnacer誌に受理され、掲載された (Breast Cancer 2017)。①乳癌術前化学療法中のクローン交替と治療効果・予後との関連 ②乳癌術前化学療法前後のctDNA中のHER2 amplificationの変化と治療効果・予後との関連については、CGHアレイよりも次世代シークエンサーを利用したコピーナンバー解析の方がより精細に検出できることが明らかとなり、また、クローン交替に関してもBulkでの解析よりも単一癌細胞解析を行った方がよりclonal evolutionを分かりやすく描出することが可能であるため、MD Anderson Cancer Center (USA)、Nicholas Navin LabにてSingle Cell Sequence技術及びそれを応用したliquid biopsyの手技を習得した (PEGASUS Protocol)。Triplle Negative再発乳癌における治療経過中のsingle cell CTC解析とctDNA解析のための前向き観察研究を開始した。また、HER2陽性症例の術前化学療法前後の血漿検体を、本技術を用いて解析中である。
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Breast Cancer
巻: 24 ページ: 733~741
10.1007/s12282-017-0768-x
Clinical Breast Cancer
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1016/j.clbc.2017.07.009