大腸癌手術検体におけるCripto-1発現を検討したところ、35%で陽性を示した。Cripto-1陽性例は腫瘍径が有意に大きく、リンパ節転移症例、肝転移症例で有意に多く認められた。またCripto-1陽性例は無再発生存期間、全生存期間が有意に短く、独立した予後不良因子であった。大腸癌細胞株においてCripto-1の発現抑制を行ったところ、細胞増殖能や細胞遊走能が有意に低下し、AktやMAPKのリン酸化が抑制されていた。さらに免疫不全マウスへの皮下移植、ならびにマウス盲腸への同所移植を行ったところ、Cripto-1の発現抑制により有意に腫瘍形成能が低下し、リンパ節転移が減少した。
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