研究実績の概要 |
Resistin like molecule beta/Found in inflammatory zone 2 (RELMβ/FIZZ2)の in vitroでの抗菌活性の詳細についての検討を引き続き行った。Staphylococcus aureus、Escherichia coli、Streptococcus faecalisの3菌株を対象として、購入したRELMβ/FIZZ2リコンビナントタンパクを用いて、寒天培地法(agar spot test)および液体培地法(Liquid broth test)にてRELMβ/FIZZ2の抗菌活性の検討を行った。前年度の検討では、RELMβ/FIZZ2に明らかな抗菌活性を認めることができなかった。この原因として、RELMβ/FIZZ2は、ジスルフィド結合によって3量体が2つ結合し6量体を形成する非常に特殊な構造をしていること(Pastel et al, Science. 2004)が考えられた。すなわち、培地の条件によってRELMβ/FIZZ2の構造が変化することが、抗菌活性に大きく影響を与えていることが予測された。このため、培地を低pHの状態にすることで、RELMβ/FIZZ2の構造を6量体から単量体の状態にするなど、様々な条件を設定したもとでRELMβ/FIZZ2の抗菌活性の検討を再度行うこととした。しかしながら今回の検討でも、いずれの条件でも明らかな抗菌活性を得ることができず、抗菌活性の至適条件の設定には至らなかった。
|