大腸全摘・回腸嚢肛門吻合術(IPAA)は潰瘍性大腸炎(UC)および家族性大腸腺腫症(FAP)に対する標準術式であるが、特にUCでは回腸嚢炎を合併することがある。本研究は「回腸嚢炎は、術後の回腸嚢の大腸化に伴うUCの再燃であり、内因性抗菌ペプチドが発症に関与している」とする仮説に基づき、UCで発現が低下する大腸上皮タンパクRELMβ/FIZZ2(resistin-like molecule beta/Found in inflammatory zone-2)の抗菌作用の検討および発現誘導因子の検討を行った。また、UCまたはFAP術後症例を対象に、回腸嚢粘膜・糞便を採取して経時的変化を観察した。
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