研究課題/領域番号 |
15K19869
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
青木 豪 東北大学, 大学病院, 助教 (10636955)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | pNET / DAXX / プロゲステロン受容体 / インスリン |
研究実績の概要 |
本研究は、膵内分泌腫瘍(NET)においてDAXX遺伝子が、腫瘍肝転移時にあたえる影響を動物モデルで検討し、また各種薬剤への治療効果にどのように関与しているかを明らかにすることを主旨として計画された。初年度に当たる今年度は、DAXX遺伝子の機能解析に先立ち、NETの予後への関連性が示唆されているプロゲステロン受容体に注目し、この機能解析を進めた。プロゲステロン受容体は、NETで高率に発現し腫瘍増殖抑制を、正常膵ランゲルハンス島においてはインスリン産生抑制が報告されている。まず、当科で経験されたNET症例100例に対し、プロゲステロン受容体発現の有無によってグループ分類し、腫瘍における各種の膵内分泌由来ホルモンの発現、予後との相関について検証した。その結果、プロゲステロン受容体陽性検体において、β細胞由来ホルモンであるインスリンの共発現が認められた。一方、プロゲステロン受容体とNETの予後との相関であるが、我々の検体からは、両群間に病期の進行度、腫瘍径、リンパ節転移の有無に差はなく、その結果、プロゲステロン受容体発現の有無はNETの予後に相関しないことが分かった。このように、標的タンパク(あるいは遺伝子)の有無によるNETの特性を、臨床検体を用いた組織学的検証法で評価することは有用であると考えられ、この手法によりDAXXの発現によるNETの特性の一端を明らかにすることが可能になるのではないかと考えている。以上の結果を踏まえ、次年度以降のDAXX遺伝子の機能評価を進めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度はDAXX遺伝子の評価系を確立するために時間を要した。その結果、プロゲステロンレセプター陽性検体において、β細胞由来ホルモンであるインスリンの共発現が認められた。一方、プロゲステロンレセンプターとNETの予後との相関であるが、我々の検体からは、両群間に病期の進行度、腫瘍径、リンパ節転移の有無に差はなく、その結果、プロゲステロンレセプター発現の有無はNETの予後に相関しないことが分かった。標的タンパク(あるいは遺伝子)の有無によるNETの特性を、臨床検体を用いた組織学的検証法で評価することは有用であると考えられ、この手法によりDAXXの発現によるNETの特性の一端を明らかにすることが可能になるのではないかと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今回の研究結果を踏まえ、DAXXの機能解析を進める。具体的には当科の臨床検体にDAXXの免疫染色を行い、その有無により産生ホルモンや予後に差があるかを組織学的検討により検証する。また、MIN6などの膵内分泌腫瘍セルラインを用いた検証、動物モデルを使用した検証も来年度以降に進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度はDAXX遺伝子の評価系を確立するために時間を要し、次年度にDAXX遺伝子の機能解析を重点的に進める必要性から、次年度により多くの研究費をかけることとした。
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次年度使用額の使用計画 |
今回の研究結果を踏まえ、DAXXの機能解析を進める。具体的には当科の臨床検体にDAXXの免疫染色を行い、その有無により産生ホルモンや予後に差があるかを組織学的検討により検証する。また、MIN6などの膵内分泌腫瘍セルラインを用いた検証、動物モデルを使用した検証も来年度以降に進めていく予定である。
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