クローン病腸管粘膜での脂質分子の変化の解析およびクローン病におけるPC(16:0/20:4)の腸管内分泌細胞内での機能の解明を中心に研究を進めた。研究者は、クローン病腸管ではLPCAT3を高発現する腸管内分泌細胞が多いことを明らかにしている。そこで腸管内分泌細胞株としては5-HT産生細胞株RIN-14Bを利用し、LPCAT3遺伝子を導入して過剰発現系を作成した。その結果LPCAT3過剰発現株では、Ionomysin分泌刺激に対して分泌される5-HTが有意に多かった。透過電顕の結果などからLPCAT3は腸管内分泌細胞内の顆粒形成に関与している可能性があり、今後細胞内でのLPCAT3の働きについてさらに研究を進める。
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