袖状胃切除術前後に胃体上部小弯粘膜のグレリンmRNAを比較したところ、平均値では術前後で有意な差を認めなかった(1:0.87)。しかし、体重リバウンドをきたしている症例では、術前平均の1.8-2.4倍高いグレリンmRNAの発現を認めた。また、マウスに袖状胃切除術を施行したところ、膵臓、十二指腸、視床下部においては、グレリンmRNA、タンパクともに術前後で有意差は認めなかった。しかし、胃小弯においては、術後30日で1.5倍のグレリン産生細胞数の増加を認めた。以上より、袖状切除後残胃における代償性のグレリン産生細胞数の増加が、体重リバウンドに寄与している可能性が示唆された。
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