大腸癌においてはAPC遺伝子の変異を高頻度に有しており、恒常的にWNT/β-catシグナルの活性化が生じていることは周知の事実である。そのため、遺伝子変異を持つ分子のさらに上流に着目して遺伝子操作を実施することの生物的意義について慎重な解析を行ってきた。β-cat発現vectorを導入した細胞モデルを作成しその強発現のvalidationを行った。さらにmirRNAについてのアレイ解析を行い導入前後のmicroRNAの変化についての検討を行った。ただ、これらの制御メカニズムが予想以上に複雑であり、これらの解析に多大な時間を要したため時間内に十分な成果に結びつけることが不可能であった。 一方、WNT/β-catシグナルの評価方法であるTOP-Flash活性のルシフェラーゼアッセイによる定量方法を確立することができこれらを今後の研究に活かせられるといった点では有意義な研究内容であった。
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