84例の術前未治療の食道扁平上皮癌手術検体を用いて、MTH1(MutT-homolugue 1)タンパク発現および8- oxo- 2’- deoxyguanosine (8- oxo- dG)の集積を免疫染色にて、mRNA発現量をqRT-PCRにて評価した。MTH1のmRNA発現量は正常上皮に比較して癌組織中において増加していた。免疫組織化学染色ではMTH1発現陽性例では壁深達度が深く、静脈浸潤陽性例が多く、進行癌症例が有意に高頻度に観察された。また、MTH1陽性群は陰性群に比較して有意に予後不良であった。さらに、MTH1発現陽性は疾患特異的生存率において、独立した予後不良因子であった。一方、8- oxo- dG集積は臨床病理学的因子や予後との相関を認めなかった。以上の結果をCancer Medicine誌に投稿し、採択された。
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