研究課題
今研究では、胆管癌において豊富な間質に存在するCAFをターゲットとした治療、すなわちCAFを活性化させる因子Hedgehog siganlingをターゲットとした治療(SMO, GLI antagonist)の有効性、またそのメカニズムについて解析を行うことを目的とする。これまで胃癌(特に胃接合部癌)組織におけるCXCL12の発現を免疫組織学的に確認し、Myofibloblastが発現している症例を約50%に認めたため、分離したCAF細胞においてもこの発現を確認したところ、6例中3例にてCXCL12の高発現を認めた。CXCL12の受容体であるCXCR4を介した癌細胞-CAF 相互作用が存在するかを確認した。CXCL12高発現CAFとCXCR4発現胃癌細胞OACM5.1Cを共培養すると、癌細胞の浸潤能が有意に亢進し、CXCR4 antagonistであるAMD3100を投与すると、その作用は抑制された。ヒト胃接合部癌組織におけるCXCL12の免疫組織学的評価を行ったところ、間質の特に線維芽細胞にCXCL12の発現を認めた。間質におけるCXCL12の発現と臨床病理学的因子との関連性を調べると、CXCL12の高発現はリンパ節転移陽性率・リンパ管浸潤と関連し、さらに根治切除後の5年生存率が有意に不良であった。
すべて 2016
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