研究課題/領域番号 |
15K19913
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
上田 純志 日本医科大学, 医学部, 助教 (40544391)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ESRP1 / 肝胆膵外科 / 膵癌 / 肝癌 / 胆道癌 / 免疫染色 / 病理標本 |
研究実績の概要 |
我々は膵癌に対する新たな治療戦略としてESRP1に注目している。ESRP1は上皮間葉転換にかかわる重要なスプライシングレギュレータであり細胞を上皮系に誘導する。悪性腫瘍においてもESRP1が上皮間葉転換を抑えることが報告されている。我々が行った、これまでの実験からESRP1の発現が低い膵癌は優位に生存率が低く、再発率が高いことが分かっている。今年度は、肝胆膵癌の切除標本を用いてESRP1の発現を検討し、予後や再発率との関連を検討している。肝胆膵癌の切除標本を得るために、外科手術を行い、固定された標本に対し免疫染色を行っている。切除標本は50例以上、集積した。免疫染色を行うと同時に臨床経過や血液生化学データーなど様々な臨床情報を集積している。さらに膵癌のみではなく、肝細胞癌、胆道癌に対しても同様の検討を行う予定である。肝細胞癌に対してはESRP1のみならず、肝線維化マーカーであるヒアルロン酸やⅣ型コラーゲンなども検討を行っている。ヒアルロン酸およびⅣ型コラーゲンの発現の高い標本では優位に予後が短く、再発率が高いことを示した。今後はESRP1とこれらの線維化マーカーの関連を検討する予定である。胆道癌に対しては切除断端における癌細胞の遺残と予後の関連に対して検討している。免疫染色においては胆管断端の癌陽性群においてKi-67やp53の発現は予後とは関連していないことが分かった。今後さらにこれらのタンパクとESRP1との関連を検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね、計画通りに経過している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、膵癌のみではなく、肝細胞癌、胆道癌に対しても同様の検討を行う予定である。肝細胞癌に対してはESRP1のみならず、肝線維化マーカーであるヒアルロン酸やⅣ型コラーゲンなども検討を行っている。ヒアルロン酸およびⅣ型コラーゲンの発現の高い標本では優位に予後が短く、再発率が高いことを示した。今後はESRP1とこれらの線維化マーカーの関連を検討する予定である。胆道癌に対しては切除断端における癌細胞の遺残と予後の関連に対して検討している。免疫染色においては胆管断端の癌陽性群においてKi-67やp53の発現は予後とは関連していないことが分かった。今後さらにこれらのタンパクとESRP1との関連を検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度は計画通りに進んでいるが、国際学会への参加が中止になったため、来年以降に参加することになった。
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次年度使用額の使用計画 |
免疫染色に用いる抗体を購入予定である。さらに、徐々に出てきた成果を学会にて発表する予定である。
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