研究課題/領域番号 |
15K19944
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
坂巻 寛之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (10749104)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 肺移植 / 気管支断端酸素分圧 |
研究実績の概要 |
今年度の目標は、豚の左肺を摘出し、レシピエントに移植し移植後再灌流行い、移植前、移植後、再灌流後に経気管支マイクロサンプリング法を用い、経時的に気道上皮被覆液ELFを採取すし、種々のサイトカイン (IL-1beta、IL-4、IL-6、IL-8、IL-10、IL-12p40、IFN alpha、IFNgamma、 TNF-alpha)を測定し、VEGF、KL-6などの肺障害マーカーも測定しその動態を明らかにすることであった。しかし肺移植後に豚レシピエントが急性期に死亡してしまうことが多い。そこで移植技術の向上を図る事や移植後の気管血流の動態を知る事が必要と考えた。移植後の血行動態は豚の左全摘後の気管支断端の術中酸素分圧をEP354 dO2 iso Podを使用し酸素分圧の評価を行った。計2頭の豚の気管分岐部から断端までの頭側と尾側の8点を測定した。その結果として、断端<中枢、頭側>尾側と酸素分圧差がある傾向がみられた。この結果により術後に気管支漏になりにくい気管支断端吻合の方法を考察する事ができるかもしれない。しかしながら、実験数が不足していること。また全身麻酔下で計測するため、術中の血中酸素濃度の変動にも影響を受けることが予想される。今後気管支断端の酸素分圧測定の結果を定量値として扱い移植時に活用するためには、より多くの実験データの集積が望まれる。平成29年度に実験数を増やすことを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
豚の肺移植後に検体採取を行うことが目的だが、移植後死亡してしまうケースが多い。その理由としてラット、豚の肺移植術の技術不足が考えられる。また移植術をより確実にするために気管支断端の術中酸素分圧の測定数の集積が必要と思われる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の目的である豚肺移植モデルのマイクロサンプリング法における検体の集積をおこなうために、移植術をより確実に迅速に完遂する事が重要と考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
豚実験回数が予定より少なかったため。また移植術を行う前に死亡するケースがあり、飼育費がかからなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
より多くの実験データが必要であり、実験回数を増やすことで使用額は満たす予定である。
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