この研究の目標は、経気管支マイクロサンプリング法を用いて、豚の肺移植時における肺障害マーカーの動態を明らかにすることであった。しかし肺移植後レシピエントが急性期に死亡してしまうことが多かった。その原因は移植後の気管支縫合部の阻血であり左肺全摘後の気管支断端血流の動態を知ることが必要と考えた。気管分岐部から断端までの頭側と尾側の8点の組織内酸素分圧を測定した。外側遠位~内側近位への酸素分圧の上昇傾向がみられた。しかし気管支酸素分圧の測定困難であり大きく変動した。今後より正確に気管支酸素分圧を測定するためには、モニター電極の改良や手技の熟練が必要と考えられた。
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