研究課題
1.「心の理論」機能の局在を明らかにするために右前頭葉グリオーマ9症例に対する覚醒下手術が終了した。心の理論タスクを用いた直接電気刺激によるマッピングデータを収集した。ただし、マッピング困難であった症例や、マッピング陽性所見が得られなかった症例が含まれる。2. マッピングと機能局在:皮質および皮質下において再現性のある心の理論タスクの遂行困難な領域を確認した。3. トラクトグラフィとの整合性:仮説であった心の理論と関連する白質神経線維との存在が疑われるマッピング結果が得られた。4. 機能連結性の解析:術前後ならびに3・6ヶ月時点のMRI画像データを収集し、安静時ファンクショナルMRIにおける機能的結合性とその経時的変化について、現在解析中である。5. 神経心理学的評価:対象症例の高次脳機能の経過を外来にて追跡中である。6. 社会的QOLの評価:対象症例のQOLの経過を外来にて追跡中である。7. 次世代覚醒下手術の確立:心の理論のみでは社会的コミュニケーションにおいて不十分であることが予備研究からわかってきた。とくに共感性の評価が必要であると考えらえた。8. 今後の課題:今回の研究では心の理論と関連性の深い共感性に関わる領域の評価が困難であることがわかったため、心理学教室の協力のもと、共感性タスクの作成に取り掛かる段階である。また、タスクの見直しと刺激装置(電極)の再検討も必要と思われる。
3: やや遅れている
手術症例の数に限界があること、術中マッピング陽性所見が得られない症例がみられることがある。
覚醒下手術症例を積み重ねるとともに、データの標準化とオーバーラップ解析を進める。今回の研究では心の理論と関連性の深い共感性に関わる領域の評価が困難であることがわかった。次世代覚醒下手術の確立には必要な脳機能であることから、心理学教室の協力のもと、共感性タスクの作成に取り掛かる段階である。
効率的な予算執行により端数が生じた。
次年度は論文投稿費に使用する。
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Journal of neurosurgery
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Neurologia medico-chirurgica