マウスに実験的くも膜下出血を導入することにより、大脳皮質に神経細胞のアポトーシスや炎症が生じ、その結果、神経症状が悪化することを明らかにした。さらに、同部にはマトリセルラー蛋白と呼ばれる特殊な細胞外マトリックス蛋白の1つであるテネイシンCが高発現していることを確認した。テネイシンCの発現をノックアウトすると、くも膜下出血後に生じるカスパーゼ-3依存性の神経細胞アポトーシスが抑制され、神経症状は改善した。また、テネイシンCのノックアウトによりToll様受容体4、nuclear factor-κBを介する炎症性サイトカインの発現が低下することが明らかになった。
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