研究課題
本研究は、もやもや病の遺伝因子と環境因子の全容を解明することを目的とし、①RNF213遺伝子のR4810K変異の臨床的意義の検討、②RNF213以外の遺伝因子の特定、③環境因子の特定を課題として掲げている。RNF213のR4810K変異については、Down症候群などの基礎疾患を背景にしてもやもや病と同様の血管狭窄を示す類もやもや病においても関連することを示し、冠動脈疾患においても関連があることを示した。また、もやもや病家族において、RNF213のR4810K変異を用いることで、家族の脳血管狭窄の発症を予測できる可能性があることを示した。R4810K保因者の4人に1人が脳血管狭窄を発症することを示した。RNF213以外の遺伝因子については、RNF213のR4810K変異を持たない患者14名について、全ゲノムシークエンス解析を行い、現在関連する遺伝因子の特定を進めている。また、一卵性双生児において表現型不一致を示す2姉妹を含む6組のsib pairで全ゲノムメチル化解析を行い、遺伝子変異以外の要因についても検索を進めている。ゲノム情報とエピゲノム情報を統合することで、病態の解明に近づけると考えている。
2: おおむね順調に進展している
もやもや病におけるRNF213以外の遺伝因子の解析を進めている。RNF213 R4810K変異のない患者の全ゲノムシークエンスが終了し、現在解析を進めているところである。今年度内に別の遺伝因子の特定ができると考えている。
本研究により、RNF213以外の遺伝因子が特定されれば、それをもとにマウスモデルを作成し、病態の解明につなげる予定としている。また、臨床上も、RNF213と新たに特定した遺伝因子を組み合わせることで、診断精度を上げることができるかどうかについて検証する予定である。
1万円以下の残額が生じたが、次年度では学会発表や交通費として使用する予定である。解析等の費用がかかるものについては、前年度にすでに済ませており、今後は解析が中心となる。解析の結果を今年度に発表していく予定である。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)
PLOS ONE
巻: 12 ページ: e0175649
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