質量分析器にて53例の髄液メタボローム解析を行うと同時に、IDH変異などの遺伝子解析を行い、IDH変異と髄液メタボロームとの関連を検討した。髄液中の2HGの濃度は、平均0.48mMであり、組織別での平均濃度は膠芽0.41mM、退形成星細胞腫0.46 mM、瀰漫性星細胞腫0.71 mMで、組織間での2HGの統計学的な差は認めなかった。IDH変異陰性群での2HG濃度は0.44±0.06mMであり、IDH変異陽性群での2HG濃度は0.61±0.2mMであった。P=0.23であり、両群に有意な差は認めなかった。以上の結果よりIDH変異グリオーマのマーカーとして髄液2HGは有用ではないことが判明した。
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