本研究計画では、micronRNAの一種であるmiR-451という分子が、脳腫瘍細胞に対し、治療感受性を向上させるか検討し、その発現を増やす因子を同定する。MiR-451は代謝性ストレスに対するスイッチとしての働きをもっており、脳腫瘍細胞が治療に対し、よりストレスを感じさせることで、治療効果を増強させるものである。実験結果から、腫瘍細胞にmir-451を発現させた状態で治療すると、より多くの細胞死が誘導された。またそのmiR-451を発現させる因子としてOct1を同定した。さらに高糖状態におけるラットの脳ではmiR-451の発現上昇が確認された。
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