研究課題
平成27年度中に本研究を施行するための当施設臨床研究倫理委員会申請、共同研究施設である放射線医学総合研究所との調整、画像システムの構築と解析に必要な試薬の購入を行い、平成27年度下半期よりCuATSM PET撮像を開始した。平成28年度も継続してCuATSM PET撮影を施行した。計5回の撮影を行い、CuATSM PET撮影症例について、手術における高集積領域の組織採取、採取後の免疫組織化学検査、フローサイトメトリー解析、Methylation Specific PCRを行った。現在は全症例について無増悪生存期間、全生存期間を追跡している段階であり、結果が出次第CuATSM高集積部位との関連について検討をする予定である。さらに、平成28年度の症例において、腫瘍としてmassを形成する前段階の幹細胞集積をCuATSM PETが描出している可能性を示唆する画期的な結果を得ることができ、現在臨床経過の画像追跡を行っている。本研究の最終的な目標は、神経膠芽腫のCuATSM集積領域をターゲットとした新たな治療法の検討である。研究責任者は神経膠芽腫の新たな治療法について、平成27年度に日本脳神経外科学会総会、The 18th European Cancer Congress (Vienna)で発表を行い、平成28年度に日本脳神経外科学会総会で追跡中間結果を発表した。また、CuATSM集積部位への局所投与を目的とした薬剤について、研究責任者は平成29年1月にScientific Reportsに報告した。さらに、平成27-28年度の症例に加えて平成26年度まで継続してCuATSM PET撮像を行っていた約60症例を含めた画像上の解析について、現在論文投稿中である。平成27-28年度に行った症例に関する臨床経過との関連に関する報告は、追跡結果が揃い次第論文化を予定している。
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Scientific Reports
巻: 7 ページ: 42783
10.1038/srep42783