脳腫瘍の中で最も予後の悪い神経膠芽腫の治療抵抗性の要因として、低酸素環境の関与が挙げられる。申請者は世界に先駆けてCu-ATSM PETを用いた神経膠芽腫内低酸素領域の可視化に成功した。Cu-ATSM PETで同定される低酸素領域に治療抵抗因子の発現が多いことが分かれば、現在の標準治療である正常脳を含めた拡大切除/放射線照射ではなく、低酸素領域をターゲットとしたより安全で標的性を高めた治療が可能となる。本研究ではCu-ATSM PETで同定した低酸素領域の組織を手術で採取し、組織検討と遺伝子解析を行った。さらに、Cu-ATSM高集積領域をターゲットとした治療法についての検討を行った。
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