研究課題
グリオーマ幹細胞に対するNotchシグナル阻害薬の抗腫瘍効果を測定するため、25株のグリオーマ幹細胞にγ-セクレターゼ阻害剤の薬剤感受性試験を行ったところ、細胞株で異なる阻害効果を示し、高感受性群と低感受性群に分けられた。高感受性群では低感受性群に比べ、NotchやOlig2などproneural typeに特徴的な遺伝子発現が多く認められた。次にγセクレターゼ阻害薬のグリオーマ幹細胞幹細胞性維持に対する阻害作用を解析したところ、neurosphere形成能が阻害され、幹細胞の特徴である自己複製能が阻害されることを明らかにした。またグリオーマ幹細胞はγ-セクレターゼ阻害剤によって幹細胞性が阻害されるのと同時にニューロン系とアストロサイト系の2方向への分化傾向を示すことを明らかにした。またγセクレターゼ阻害薬はNotchシグナルの特異的阻害薬ではなく、Notchシグナル阻害以外の影響を受けている可能性も否定出来ないため、分子生物学的手法によるNotch阻害を行った所、同様の結果が得られた。次にグリオーマ幹細胞の遺伝子発現プロファイル解析を行った。まずGene Set Enrichment Analysis(GSEA)行い、高感受性群で特徴的なNotchシグナル関連17遺伝子の活性化が同定した。それらを用いてTCGAデータの解析を行った所、γ-セクレターゼ阻害剤に治療反応性を示す可能性が高い腫瘍群が同定された。それらは全てproneural typeであり、proneural typeの約44%を占めていることを明らかにした。
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