研究課題
平成26年度も国内研究協力者である中村浩之教授(東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所)および切畑光統教授(大阪府立大学 BNCT研究センター)、国外研究協力者であるVicente教授(ルイジアナ州立大学)と密に連絡を取り、より細胞選択性の高い候補薬剤のスクリーニングを継続した。年度前半はH2OCPを中心にPDTおよびBNCTへの応用に向けin vitro / vivo studyを行った。臨床BNCTで使用されてきたホウ素化合物(BPA, BSH)との比較で腫瘍細胞への集積特性(停留時間、暴露濃度・時間の変化による薬剤細胞集積)について確認を行い、結果はBPAよりも多い細胞内ホウ素取り込み量を、またBSHと同等の停留能力を有していることが証明された。そのため続いてPDTに関してはin vitro studyではcolony forming assayにて0.05以下の非常に高い殺腫瘍効果を確認し、またex vivo studyでもin vitro studyと同様の結果であった。これらの結果より今後BNCTへの臨床応用が期待できる薬剤であると判断し、F98グリオーマ移植担脳腫瘍モデルラットに対しconvection enhanced delivery法を用いた薬剤生体内分布の確認を行った。結果はCED直後、24時間後、48時間後の腫瘍内ホウ素濃度がそれぞれ0.94±0.69、0.38±0.38、0.11±0.14 μg 10B/mlとin vitro studyの結果と解離を認めた。そのため年度後半は中村浩之教授(東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所)より提供を受けていた新規ホウ素化ポルフィリン(BNH2-PpIX)を用い同様に薬剤生体内分布の確認を行い、腫瘍内ホウ素濃度が20.21±8.05 μg10B/mlと非常に高い取り込みを確認した。
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