研究課題
当該研究においては、パーキンソン病に対して用いられる脳深部刺激療法がどのように脳神経活動に影響を及ぼすかを、近赤外光を用いた脳活動計測機器である Near Infrared Spectroscopy (NIRS) を用いて明らかにすることを目的とした。前年度では予備研究として行った6人のパーキンソン病患者において、手術前と術後1ヶ月時点での脳活動状態の比較を行った。手の開閉運動を課題とした脳活動計測において、術後は手足を動かす脳皮質運動野での活動が他の脳皮質部位よりも上昇していることが明らかになり、その結果は査読付英文誌に発表された (Morishita T et al. Front Hum Neurosci, 2016)。NIRSを用いた計測では、脳皮質活動変化があるかないかという点だけではなく、その振れ幅も定量化することができる。そこで、最終年度では前年度の研究をさらに推し進めて、脳活動の振れ幅の比較を手術前後で行った。手術適応となる進行期パーキンソン病患者では、抗パーキンソン病薬の内服の有無によって症状が劇的に変化する。そのため、抗パーキンソン病薬の内服した状態とそうでない状態に加え、術後半年時点での状態の比較を行った。また、予備研究では6人のパーキンソン病患者を対象としたが、最終年度では被験者数を10人以上に増やしてデータを収集した。このように、被験者数を増やしてデータの信頼性を高めることに努め、上記の如く同一患者における3つの状態での脳活動状態の比較検討を行うべく解析をすすめた。現在、実験結果をとりまとめており、近日中に論文として発表を行う予定としている。
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Plos One
巻: 13 ページ: e0191361
10.1371/journal.pone.0191361. eCollection 2018
Neural Regeneration Research
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http://www.fu-functionalrecovery.com/work.html