研究課題/領域番号 |
15K19988
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
伊豆 弥生 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (90431949)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | VI型コラーゲン / XII型コラーゲン / 細胞間コミュニケーションネットワーク / 骨形成 |
研究実績の概要 |
骨形成部位において、骨芽細胞は隣接する骨芽細胞と密に接し、細胞間コミュニケーションネットワークを構築している。私たちはこれまでに、VIおよびXII型コラーゲンが、骨芽細胞の細胞間コミュニケーションあるいは細胞間結合を制御し、これにより骨量および骨質制御に関与することを明らかにした。さらに、私たちは、VI型およびXII型コラーゲンが共に、筋・結合織疾患であるウルリッヒ病の原因遺伝子であることを見出し、VI型とXII型コラーゲンが、筋肉および結合組織の恒常性維持において共通した機能を担うことが推察された。そこで、本研究は、骨芽細胞の細胞間コミュニケーション構築時において、VIおよびXII型コラーゲンの役割を解明することを目的とした。 初代培養骨芽細胞を用いた実験により、細胞外に分泌されたVIおよびXII型コラーゲンは、細胞と細胞を結ぶマトリックスブリッジを形成し、これには、両コラーゲンの存在が不可欠であることがわかった。本研究は、VIおよびXII型コラーゲンは協調的に働く機構を初めて明らかにしたものである。また、骨芽細胞の細胞間コミュニケーション構築において、VIとXII型の両コラーゲンの存在が必須であることが明らかになった(Izu et al. Cell Tissue Res. 2016)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究の一つの目的であるVIおよびXII型コラーゲンの関係性を解明し、その成果はCell Tissue Researchにアクセプトされ、掲載されている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究により、VIおよびXII型コラーゲンの相互作用が明らかにされたことから、今後は、当初の予定に従い、VI・XII型コラーゲンが共通して制御する分子の同定を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
27年度は、論文発表し、成果が得られたこと、また28年度から研究機関を移動先での研究に使用するため、次年度へ繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度請求分とともに、研究に必要な消耗品、学会参加費およびマウス飼育費等に使用する。
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