ウサギ内側半月板断裂モデルを使用し、断裂部に当教室オリジナルの脂肪由来幹細胞をシート状にして挟み込み縫合術を行い、半月板の治癒について評価・検討を開始した。しかし、モデル作成時に安定した再現性を獲得することが困難であり、モデルの修正を行っている。(コントロール群についてはモデルは安定して作成することができている) コントロール群を評価したところ、ウサギにおいても半月板の大きな縦断裂では自然治癒が見込めないこと、半月板の治癒には滑膜が大きな役割を果たしている可能性が示唆された。 今後治療群のモデルが安定して作成することが出来るようになれば、半月板の修復における脂肪由来幹細胞シートの影響を科学的に検証することが可能になる。 平成28年度は、治療群の手技の確立と半月板の評価(肉眼的評価、病理組織学的評価、免疫組織学的評価)を随時行う予定である。 本研究により、半月板の治癒能力を促進することができれば臨床的意義は非常に大きく、半月板縫合術の成功率の上昇及び適応拡大につながり、ひいては今後の膝関節治療を大きく変えるものとなり得ると考えている。
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