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2015 年度 実施状況報告書

骨格筋内脂肪細胞によるアディポカインが慢性疼痛発生に及ぼす影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K19996
研究機関神戸大学

研究代表者

坂田 亮介  神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 医学研究員 (50579323)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード脂肪浸潤 / アディポカイン / アディポネクチン
研究実績の概要

外傷による腱断裂や神経損傷などによる筋不動化により、骨格筋内には脂肪細胞が浸潤することが報告されている。脂肪細胞はエネルギー貯留のみならず、サイトカインを分泌する内分泌期器官としての役割が注目されている。脂肪細胞が分泌するサイトカイン(アディポカイン)の中には、アディポネクチンや炎症性サイトカインが含まれている。脂肪変性の分子メカニズムには未知の部分が多く、その発症機序、病理学的意義、そして疼痛や機能障害との関連性などについて詳細な検討はなされていない。これらのメカニズムや関連性を解明し、筋肉内脂肪変性や脂肪浸潤による筋力低下や疼痛を改善することを目的とした。
本年は上記の目的に従い、脂肪細胞より分泌されるアディポカインの働きを明らかにするため、ラット腱細胞を炎症性サイトカインを添加した炎症培地で培養し、同じく脂肪細胞より分泌されるアディポネクチンを加え、腱細胞においても抗炎症作用を示すかどうかを検討した。その結果として、アディポネクチンの添加後一日における抗炎症作用が認められた。動物実験モデルにて腱断裂や神経損傷による筋肉内脂肪変性および脂肪浸潤を調査するため、腱断裂モデル及び神経損傷モデルを確立した。今後の展望として、より短時間でのアディポネクチンの抗炎症作用を精査すること、及び作成した動物実験モデルにて腱断裂や神経損傷による筋肉内脂肪変性および脂肪浸潤、及び変性部におけるアディポネクチンを含めたアディポカインの局在などを調査することにより、変性や疼痛を惹起するメカニズムを明らかにしていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在の進展状況としては、投与1日におけるアディポネクチンのラット腱細胞での抗炎症効果を確認した。今後の方向性としてはより短期における抗炎症効果を確認することとしている。
作成した腱断裂モデルや神経損傷モデルでのサンプルを採取している段階である。サンプルの準備ができ次第、組織学的、分子生物学的(免疫組織染色やリアルタイムPCR)解析を行うことにより、筋肉内脂肪変性および脂肪浸潤を含めた変性メカニズムを明らかにし、その後順次発表や執筆を行う予定である。2016年下旬には解析の終了予定であるので概ね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策としては12時間など24時間以内のアディポネクチンの抗炎症作用をラット腱細胞を培養することにより明らかにする。
動物実験としては、作成した腱断裂モデルや神経損傷モデルでのサンプルを採取し、組織学的、分子生物学的(免疫組織染色やリアルタイムPCR)解析を行うことにより、筋肉内脂肪変性および脂肪浸潤を含めた変性メカニズムを明らかにし、その後順次発表や執筆を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、腱細胞を用いたin vitroでの実験が中心であり、当初予定していた動物実験は開始するのが遅れたため、支出額が抑えられ、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

次年度は、動物実験が中心となり、その動物購入や飼育費及び組織学的、分子生物学的解析に充当する予定である。さらに研究成果を学会活動や論文投稿により発表してく予定としており、これに要する費用に助成金を充当する予定である。

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公開日: 2017-01-06  

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