腱断裂や神経損傷などに伴う筋の不動化により、骨格筋内には脂肪細胞が浸潤し、脂肪細胞が分泌するアディポカインが筋肉に影響を与えるとされている。アディポカインの中でAdiponectinに注目し、慢性炎症への影響について検討した。 in vitro実験系により、炎症環境でのAdiponectinの抗炎症作用が示された。in vivo実験系にて腱断裂及び神経損傷モデルで筋萎縮及び脂肪変性が確認された。萎縮し、脂肪変性を来たした筋肉内で炎症性サイトカインの上昇と抗炎症効果を有するAdiponectinの低下を認めた。不動化した筋肉内では、浸潤した脂肪組織が関与する慢性炎症が生じ臨床成績を悪化させうる。
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