本研究の目的は人工膝関節置換(TKA)術後の疼痛に対する炭酸ガス経皮吸収療法の効果を検討することである。TKA術後7日目より炭酸ガス経皮吸収療法を5日間行い、施行前後での疼痛評価を行った。また、術後16日目の疼痛評価、関節可動域、大腿四頭筋筋力を計測し、ヒストリカルコントールと比較した。炭酸ガス療法後の疼痛は、施行前と比較して有意に改善しており、疼痛緩和に有効である可能性が示唆された。一方、術後16日目での疼痛、関節可動域、大腿四頭筋筋力はコントロール群と比較して有意な差は認めなかった。今後炭酸ガス療法の開始時期や期間を検討して行く必要があると考えられた。
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