研究実績の概要 |
in vitro実験として骨転移を生じやすいヒト乳癌細胞株(MDA-MB-231)、ヒト前立腺癌細胞株(PC3)、ヒト肺癌細胞株(A549)およびヒト骨肉腫細胞株(SaOS-2,143B)を使用し、ゾレドロネート(ZOL)および腫瘍融解アデノウイルス(OBP-301)に対する細胞生存活性をXTT assayを行い調査した。ZOL、OBP-301ともに濃度依存的に細胞生存活性の低下がみられたが、OBP-301が細胞依存性に効果が異なる一方、ZOLは骨肉腫細胞に比べて上皮系癌細胞では効きにくい傾向があることが判明した。ZOLとOBP-301の併用効果につき検討したところ、骨肉腫細胞では一定の併用相乗効果が得られていたが、上皮系癌細胞においては併用相乗効果ではなく、併用相加効果程度であることが判明した。 マウス脛骨近位部にMDA-MB-231を埋め込み、骨転移モデルを作成し、in vivoの実験系において腫瘍増殖抑制および骨破壊抑制の点から併用効果を確認した。有意差はないものの腫瘍増殖抑制効果の傾向はみられたが、骨破壊抑制についてはMDA-MB-231による骨破壊は認められず、骨転移モデルの作成が不成功となった。
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