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2015 年度 実施状況報告書

有限要素法を用いた脊髄症の病態解明と臨床への応用

研究課題

研究課題/領域番号 15K20002
研究機関山口大学

研究代表者

西田 周泰  山口大学, 医学部附属病院, 助教 (90535262)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード有限要素法 / 脊髄症
研究実績の概要

「有限要素法を用いた脊髄症の病態解明と臨床への応用」を研究内容として、現在有限要素法ソフトABAQUSを使用して作成したモデルを基にsimpleware及びLS-DYNAを使用して全脊髄モデルを作成し、脊髄内応力解析を行っている。頚髄の各髄節の形状の違いを考慮したモデルを作成、実際に頚椎の動きに合わせて動かし、周囲組織を設定して応力上昇範囲などを検討している。また、山口大学工学部機械工学科との関係も構築しており、脊髄の応力解析は円錐部及び馬尾レベルなども含めてモデル解析を行っている。また、ブタの神経根引張試験結果を英文として発表し、モデル作りを行い始めている。この結果では、神経根の引張強度は脊髄の灰白質や白質に比べ数十倍の強さを持っていることが分かった。
有限要素法解析ソフトの入力するためのデータとして、山口大学倫理委員会を通して実際の術中のヒト組織の採取、食肉用のウシ、ブタの組織の採取を行い、様々な引張試験及び圧縮試験を行っている。前者は山口大学整形外科学講座において脊椎脊髄病疾患を持つ患者の術中に出た不要なヒトの骨、靭帯、脊髄周囲組織を術中採取するという内容で、これを山口大学工学部に速やかに搬送し、物質特性を求める実験を行っている。圧をかけた際の骨破壊の状態把握として、山口大学共同獣医学部のマイクロCTの使用許可も得ており、現在実験計画を作成中である。各年齢の骨、椎間板、筋肉及び靭帯を採取測定した後は、有限要素法解析ソフトに入力し実際に解析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ブタ神経根引張試験は英文雑誌にアクセプトされており、またそのデータを基にした円錐部の2次元応力解析の結果も英文として提出している。
他頚椎後縦靭帯骨化症の応力解析の英文もアクセプトされている。
ヒト組織のデータも蓄積されつつあり、現状は予定通りに進んでいる。

今後の研究の推進方策

今後は3次元脊髄モデル及びCT画像から抽出したCTから脊椎モデルを作成し、その合体モデル作成、応力解析を目指す。
また、ヒト組織に関しては症例数を増やし、ひずみ速度を変えて応力解析を行っていく。
ヒト組織で入手困難な組織は、ブタで代替するが、廃棄などには注意が必要で、山口大学生命科学実験室にて感染性廃棄物として処理する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Mechanical properties of nerve roots and rami radiculares isolated from fresh pig spinal cords2015

    • 著者名/発表者名
      Nishida N, Kanchiku T, Ohgi J, Ichihara K, Chen X, Taguchi T.
    • 雑誌名

      Neural Regen Res

      巻: 10(11) ページ: 1869-73

    • DOI

      10.4103/1673-5374.170319.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Cervical ossification of the posterior longitudinal ligament: Biomechanicalanalysis of the influence of static and dynamic factors.2015

    • 著者名/発表者名
      Nishida N, Kanchiku T, Kato Y, Imajo Y, Yoshida Y, Kawano S, Taguchi T.
    • 雑誌名

      J Spinal Cord Med

      巻: 38(5) ページ: 593-598

    • DOI

      10.1179/2045772314Y.0000000221.

    • 査読あり
  • [学会発表] 頚椎後縦靭帯骨化症における脊髄圧迫 有限要素モデルを用いた解析2015

    • 著者名/発表者名
      西田 周泰、寒竹 司、大木順司、桜本逸男、加藤 圭彦、中島大介、田口 敏彦
    • 学会等名
      第42回 日本臨床バイオメカニクス学会
    • 発表場所
      東京都千代田区〈ソラシティカンファレンスセンター〉
    • 年月日
      2015-11-13 – 2015-11-14
  • [学会発表] ヒト組織材料試験による加齢変性を考慮した解析とその展望―脊椎脊髄疾患のオーダーメイド解析にむけて―2015

    • 著者名/発表者名
      西田 周泰
    • 学会等名
      LS-DYNA&JSTAMP フォーラム
    • 発表場所
      東京都江東区(東京)コンファレンスセンター有明
    • 年月日
      2015-11-05 – 2015-11-06
    • 招待講演
  • [学会発表] 頚椎後縦靭帯骨化症の応力解析 ―後方除圧後の遺残圧迫と術後後弯進行による脊髄内応力変化―2015

    • 著者名/発表者名
      西田 周泰、寒竹 司、今城 靖明、鈴木 秀典、吉田 佑一郎、加藤 圭彦、田口 敏彦
    • 学会等名
      第30回 日本整形外科学会基礎学術集会
    • 発表場所
      富山県富山市(富山国際会議場)
    • 年月日
      2015-10-22 – 2015-10-23
  • [学会発表] 有限要素法を用いた脊髄内応力解析―シュミレーションによる病態解明は可能か―2015

    • 著者名/発表者名
      西田 周泰、寒竹 司、今城 靖明、鈴木 秀典、吉田 佑一郎、加藤 圭彦、田口 敏彦
    • 学会等名
      第44回日本脊椎脊髄病学会
    • 発表場所
      福岡県福岡市(福岡国際会議場)
    • 年月日
      2015-04-16 – 2015-04-18

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公開日: 2017-01-06  

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