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2015 年度 実施状況報告書

腰部脊柱管狭窄症における黄色靭帯肥厚機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K20003
研究機関独立行政法人国立病院機構高知病院(臨床研究部)

研究代表者

合田 有一郎  独立行政法人国立病院機構高知病院(臨床研究部), その他部局等, その他 (70581148)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード腰部脊柱管狭窄症 / 肥厚黄色靭帯
研究実績の概要

【対象】腰椎疾患12例を対象とした。高齢者群として腰部脊柱管狭窄症の手術症例8例、若年者群として40歳以下の腰椎椎間板ヘルニア2例に分け、実験を行った。【方法】(1)高齢者群の4例の黄色靭帯を肥厚の主な部位である背側と肥厚の少ない部分として考えられる腹側を分離し,マイクロアレイを行った。(2)高齢者群の背側部分と腹側部分をマイクロアレイの結果をもとに個々の遺伝子発現をRT-PCRを行い解析した。(3)組織学的解析としてAlcian Blue、 Elastica van Gieson染色、コラーゲンXII、IL-6、VEGF、カドヘリン-11の免疫染色を高齢者群と若年者群の両群に行った。【結果】マイクロアレイの結果からはコラーゲン3、4、6、12が腹側に比べて背側でRNAの発現増加傾向が認められたRT-PCRの閣下からはコラーゲン1、コラーゲン3が背側でRNAの発現増加を認め、コラーゲン3についてはマイクロアレイの結果と一致しており、今後、コラーゲン4、6、12等も行う予定である。高齢者群では背側のエラスチンファイバーが減少しており、背側、尾側で軟骨基質を認めた。免疫染色では同部位のtype XIIコラーゲンの染色性が増加しており、マイクロアレイの結果と一致した。またIL-6、カドヘリン-11においても背側、尾側で発現が認められた。若年者群ではエラスチンファイバーの低下傾向はなく、尾側のみ軟骨基質を認めた。腰部脊柱管狭窄症の発症において黄色靭帯の背側組織が発症に関与していると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初手術で採取した黄色靭帯からのRNA採取に難渋したが、安定して採取できるようになり、マイクロアレイにも成功した。その結果は、RT-PCRや組織染色、免疫染色の結果とも矛盾しないものであったため。

今後の研究の推進方策

線維成分の変化には炎症サイトカイン、血管新生、接着因子の増加、軟骨化成が重要な因子であると考えられ今後も研究を推進していく予定である。また、腰椎椎間板ヘルニアや靭帯肥厚のない腰部脊柱管狭窄症患者から採取された黄色靭帯を健常群として黄色靭帯肥厚群でのタンパク質組成の差異について調べる。LC/MS/MS用いた質量解析や肥厚した黄色靭帯を構成する基質タンパク質の定量性の解析
タンパク質の組成の変化が本来の正常な靭帯を構成する成分の減少によるものか、異常なタンパク質の増加によるものかは明らかにされていない。そのため、定量性のある実験系を用いて解析する。AQUAペプチドを用いた絶対定量の解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

予定していた海外旅費に科研費を用いなかったため。

次年度使用額の使用計画

物品使用および学会発表・論文費用に使用予定。

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公開日: 2017-01-06  

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