本研究の目的は、股関節安定性に対する大腿骨頭靱帯の役割を未固定新鮮凍結遺体を用いて解析することである。まず、未固定遺体にて前方筋間アプローチにより関節に侵入し、内側関節包の部分切開を用いて大腿骨頭靱帯切除モデルの作成を行った。次に、股関節他動運動にて切除前と切除後の各可動域の変化ついて検証したところ、回旋可動域にて伸展0°、30°、60°では内旋、外旋ともに切除前、切除後で有意な差異は認めなかったが、屈曲90°で平均15°、屈曲120°で平均29°内外可動域は拡大した。現在、症例数の増加とともにCTを用いた骨頭中心の三次元的動態解析を進めている。
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