骨粗鬆症患者から得られた骨サンプルをシンクロトロンCTで撮影し、骨梁に生じた微細骨折の検出、微細骨折を生じた骨微細構造の解析、および微細骨折発生の力学シミュレーションを行った。 全ての症例で複数の微細仮骨が確認され、骨梁レベルの骨折が不顕性に生じていたことが推察された。骨微細構造は、微細骨折を多く生じている骨サンプルほど、骨梁の太さの平均値が小さく骨梁構造の脆弱化が生じていた。有限要素解析では、微細骨折の発生部位に一定の傾向はなく、また、実際に微細骨折を生じていた部位との相関もなく、微細骨折は1軸の静圧縮ではなく、高い歪み速度や、曲げ、捻りなどの複雑な因子が関与していることが推察された。
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