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2016 年度 実績報告書

アンジオポエチン様因子2の切断を標的とする新規がん転移抑制法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K20008
研究機関熊本大学

研究代表者

小田切 陽樹  熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 客員助教 (60732740)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードANGPTL2 / TLL1 / プロセシング
研究実績の概要

ANGPTL2は分泌タンパク質であるため、当初より糖鎖修飾が存在することが予想されていた。糖鎖修飾はN型およびO型糖鎖修飾に分類できるが、N型糖鎖修飾については、オリゴ糖トランスフェラーゼ(OGT)によって糖鎖修飾が行われることが知られている。OGTはAsn-X-SerまたはAsn-X-ThrのAsn残基に糖鎖を付加することから、ANGPTL2においてもOGTが認識するコンセンサス配列より2カ所にN型糖鎖修飾が付加されることがデータベース上においても明らかとなっていた。実際我々も、ANGPTL2を恒常的に高発現する培養細胞の培養上精より精製したANGPTL2タンパク質を用いてPNGase Fで処理した場合、SDS-PAGEにて解析した際に分子量が減少することを確認していた。最近、我々はANGPTL2タンパク質がN型糖鎖修飾に加え、O型糖鎖修飾を受けることを見出した。NeuramidaseとO-glycosidaseを用いて精製ANGPTL2タンパク質のO型糖鎖修飾を切断した場合、N型糖鎖修飾切断時に比べるとわずかではあるが、分子量の減少が認められた。さらに、in silico解析から、ANGPTL2のO型糖鎖修飾部位を予測し、各候補修飾部位に変異を導入した変異体を作製することで、ANGPTL2におけるO型糖鎖修飾部位の同定に成功した。このO型糖鎖修飾部位同定の過程において、培養上精中における当該変異体が、野生型に比べてより多く切断されていることを見出した。ANGPTL2はTLL1によって切断されることから、TLL1による切断感受性を検討したところ、野生型に比べ変異体タンパク質のTLL1による切断感受性が有意に増加していることが明らかとなった。この結果から、ANGPTL2タンパク質のO型糖鎖修飾はTLL1による切断に対して保護的に作用していることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Mice deficient in Angptl2 show increased susceptibility to bacterial infection due to attenuated macrophage activity.2016

    • 著者名/発表者名
      Yugami M, Odagiri H, Endo M, Tsutsuki H, Fujii S, Kadomatsu T, Masuda T, Miyata K, Terada K, Tanoue H, Ito H, Morinaga J, Horiguchi H, Sugizaki T, Akaike T, Gotoh T, Takai T, Sawa T, Mizuta H, Oike Y.
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 291 ページ: 18843-18852

    • DOI

      10.1074/jbc.M116.720870

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [備考] 熊本大学大学院生命科学研究部 分子遺伝学分野

    • URL

      http://molegene.kumamoto-u.ac.jp

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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