本研究の成果として、プロセシングによるANGPTL2の機能制御においては、ANGPTL2の切断に関わるBMP-1(bone morphogenic protein-1)/ TLD(tolloid)ファミリー分子のなかでもTLL1(tolloid-like 1)が主要な制御因子であると考えられた。さらに、ANGPTL2がO型糖鎖修飾を受けること、同修飾がTLL1による切断に対して保護的に作用していることを見出し、がん細胞におけるTLL1の活性や発現の亢進に加え、ANGPTL2のO型糖鎖修飾を抑制することが、ANGPTL2シグナルを介したがん転移に対する新規治療標的となる可能性が示唆された。
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