平成27年度はヒト骨肉腫細胞株143B(親株)とこれまで先行研究で樹立した143B-LM4(高肺転移株)の培養細胞株からマイクロRNAを含むトータルRNAを抽出し、マイクロRNAの発現を解析した。その結果、親株に比して高肺転移株でmir-143Bとmir-145が有意に高い発現を示していることを同定した。さらに抽出したトータルRNAを用いてマイクロアレイによるクラスター解析を行った結果、mir-143とmir-145に関連した下流のmRNA、TANGLNとLASP1が上昇していることを確認した。その成果を第30回日本整形外科学会基礎学術集会で発表を行った。 平成28年度は高肺転移株においてTANGLNおよびLASP1をsiRNAによるノックアウトあるいは形質導入による過剰発現を行い、mir-143とmir-145の発現量の解析を行っている段階である。今後はその成果を国内外の整形外科領域の学会で成果を公表する予定である。
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