研究課題
本研究の目的は、骨肉腫肺転移における促進もしくは抑制因子としてのマイクロRNAの解析を行うことであり、具体的には、ヒト骨肉腫細胞株の親株と高肺転移株を対象に以下の課題について検討を行う。①親株と高肺転移株とのマイクロRNAの発現を比較検討。②マイクロRNAの発現解析に基づいて、その下流のmRNAやタンパク質の発現解析ならびにその分子の肺転移促進もしくは抑制効果を、マウスを用いたin vivoでの比較検討。親株と高肺転移株の分子プロファイリングを解析し、肺転移の機序解明や治療法開発を目指すことである。ヒト骨肉腫細胞株143B(親株)とこれまで先行研究で樹立した143B-LM4(高肺転移株)の培養細胞株からマイクロRNAを含むトータルRNA抽出し、マイクロRNAの発現を解析した。その結果、親株に比して高肺転移株でmir-143とmir-145が有意に高い発現をしていることを同定した。さらに抽出したトータルRNAを用いてマイクロアレイによるクラスター解析を行った結果、mir-143とmir-145に関連した下流のmRNA、TANGLMとLASP1が上昇していることを確認した。現在、高肺転移株においてTANGLMおよびLASP1をsiRNAによるノックアウトあるいは形質導入による過剰発現を行い、mir-143とmir-145の発現量の解析を行っている。また、今後はマイクロRNAのクラスター解析を行い、その他のマイクロRNAの解析を行う予定である。有意に発現の違いがみられるマイクロRNA候補を抽出して、その関連した下流のmRNAを同定する予定である。
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