研究課題
コラーゲン結合型塩基性線維芽細胞増殖因子(CB-bFGF)/人工コラーゲン複合体による骨形成促進シーズの育成を目指し、CB-bFGFにおけるコラーゲンアンカーの最適化を行った。Clostridium histolyticum collagenase ColH および ColGに存在するpolycystic kidney disease (PKD) ドメイン、コラーゲン結合ドメイン(CBD)からなる4種のCB-bFGF(bFGF-CBD(H), bFGF-PKD-CBD, bFGF-CBD(G), bFGF-CBD-CBD)を作製した。4種のコラーゲン結合型bFGFの細胞増殖促進活性をWST-8アッセイを用いて検討を行った。また、コラーゲン様ペプチドへの結合能をBiacoreを用いて検討した。さらに人工コラーゲン/CB-bFGF複合体の骨形成促進能をマウス大腿骨骨折モデルを用いて検討した。その結果、ColG由来のCBDを二つをアンカーにもつbFGF-CBD-CBDは他の3種のCB-bFGFに比べ高い細胞増殖促進能を有していた。また、Biacoreを用いた検討の結果、bFGF-CBD-CBDは従来用いてきたbFGF-PKD-CBDに比べ10倍高いコラーゲン様ペプチドへの結合能を有することが明らかになった。マウス大腿骨骨折モデルを用いた検討の結果、bFGF-CBD-CBDは最も高い骨形成能を有していた。これらの結果を踏まえ、アーカンソー大学、岡山大学と共に特許出願を行った。本シーズは骨折治癒過程における骨形成促進に有用である可能性が示された。
2: おおむね順調に進展している
当初予定していたコラーゲン結合型成長因子のコラーゲンアンカーの最適化に成功した。さらに、特許出願も果たしたため、おおむね順調に進展していると考えられる。
骨膜を損傷させた難知性マウス骨折モデルや骨折治癒遅延が認められるmPGES1ノックアウトマウスを用いて難知性骨折に対する本シーズの有用性を検討する予定である。
コラーゲン結合型BMP-2の精製が難航したため活性を検討するためのマウスの購入が遅れた。そのため、次年度使用額が生じた。
平成29年度に精製したタンパクを用いてマウス骨折モデルを用いた効果検証を行う予定である。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
Spine
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10.1097/BRS.0000000000002074
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巻: - ページ: -
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