研究課題
これまで、粘液線維肉腫の再発や予後に関する臨床病理学的因子解析の報告は散見されるものの、粘液線維肉腫の浸潤性分子メカニズムに結びつくような因子は存在しておらず、分子メカニズムは未だ明らかにされていないのが現状であった。そのため、粘液線維肉腫の予後の改善には、本腫瘍の高い浸潤性の分子メカニズムの解明が必須であり急務な状況が続いている。本腫瘍の浸潤性分子メカニズムの解明は、より精度の高い外科的切除を施行するための腫瘍浸潤性評価バイオマーカーとしての応用、さらには新規創薬治療ターゲットとしての応用が期待される。研究代表者は、本研究において2次元電気泳動法を用いたプロテオミクス解析により見出した、浸潤性粘液線維肉腫において特徴的に発現量が増加する36タンパク質の中から、粘液線維肉腫浸潤性機構に関わる重要な分子として、Protein Xを同定し、21症例のパラフィン包埋検体を用いた免疫組織学的解析により、Protein Xの強発現が、粘液線維肉腫の浸潤性と外科的切除後の組織学的断端陽性に統計学的優位に相関することを見出し、Protein Xが粘液線維肉腫の浸潤性分子メカニズムに関わる重要な分子の一つであることを見出した。これらの内容に関して、現在、論文投稿を完了し、また知財申請、特許申請を申請するに至っている。今後は、実際の分子メカニズム解明に向けた研究を進めて行く予定である。
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