周術期せん妄と睡眠時間の関連について

2017 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 15K20029
• 研究機関: 千葉大学
• 研究代表者: 孫 慶淑 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (40645529)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2019-03-31
• キーワード: 周術期せん妄 / 睡眠時間

研究実績の概要

周術期せん妄を院内で統一したスケールで診断するためにせん妄スケールをCAM-ICUを用いることに決定した。また新たなリスクスコアを作成し、せん妄ハイリスク患者を抽出することにした。新たなリスクスコアでハイリスクな患者のせん妄発症率を調査するために他の研究がおこなわれている。それによってハイリスク患者が抽出できるようになればより効率的に研究を行うことができる。リスクスコアは日本においては初めて用いられるものであり、研究途中なのでデータを示すことはできないが新たな知見が得られるものと思われる。
また周術期せん妄と睡眠時間の関連を調査することが研究の目的であるが、睡眠時間の計測のためにアクチグラフを用いることになっていたが、周術期においてはアクチグラフで睡眠時間を計測することは制限があることが判明した。
アクチグラフの代替えとして非接触型ベットセンサーを用いることとした。ベットセンサーでは現段階で患者の移動・心拍・呼吸数などが計測できるようになったが、睡眠時間もおおよそでは判断できるが、当初予定していた睡眠効率といった形ではデータがまだ取り出せない状況である。緩和病棟の患者でまずはデータを採取し、睡眠効率の測定、睡眠時間とせん妄の関係を調査し、計測が可能になった時点で周術期の患者でのデータ採取をおこなうよていである。
ベットセンサーは患者の重心の移動をとらえ、呼吸数や心拍数まで非接触型に計測できるものである。

現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

せん妄のスケールの統一化を院内で図るために時間を要した。しかし同時にリスクスコアの研究が推進され新たな知見が得られようとしている。
睡眠時間を計測するためのベットセンサーが当初の予定より開発に時間を要している。
ほとんどのデータは計測できているものの、数値化やデータ利用の点でいまだ遅れておりデータ採取が開始できない状況である。

今後の研究の推進方策

非接触型ベットセンサーは周術期以外の患者では使用を開始しており、そちらで得られた情報やデータを利用して周術期の患者に応用する予定である。
ベットセンサーが利用できればせん妄スケールの統一化が図れた現在は効率的にデータを採取できると思われる。

次年度使用額が生じた理由

産前産後休暇、育児休暇のため研究を中断したことと研究が予定通り行われず遅れていることから次年度使用額が生じている。
今年度よりデータ採取を再開する。