生体を用いた疼痛研究は臨床と同じ投与経路での鎮痛薬の作用機序を探索するうえで重要である。今回、内因性のフラビン蛋白の性質を利用したフラビン蛋白蛍光イメージング法を用いて一次体性感覚野の応答を観察することで痛みを評価できるか検討した。カラゲニンを投与後し疼痛モデルを作成した。投与後30分よりvon Frey testによる後肢逃避閾値は有意に低下し、同時期に左後肢振動刺激に対する一次体性感覚野の応答は増強した。同モデルに鎮痛薬であるケトプロフェンを投与すると、後肢逃避閾値は有意に上昇し、同時に一次体性感覚野の応答は減弱した。同方法を用いることで生体の痛みを測定できることが示唆された。
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