研究課題/領域番号 |
15K20034
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
竹村 佳記 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (70624922)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ofMRI / 術後慢性痛 / 神経障害性痛 / pain matrix領域 |
研究実績の概要 |
これまでin vivoでのマウスの痛み評価においてvon Frey フィラメントを用いて行ってきたが、近年の論文ではダイナミックプランターを用いた評価方法が取り入れられている。そこで、当科でも昨年度から測定者間のばらつきを極力少なし、より客観的に評価するためにダイナミックプランターを使い始めた。そして、その条件設定を含め、当科での測定方法を確立した。 本条件設定はC57BL/6J雄性マウス(生後8週)を用いて行った。マウスの測定環境としては透明な箱(以後、明室と示す)と周囲が黒く塗りつぶされた箱(以後、暗室と示す)での1)刺激加重の比較と2)測定時間の比較、また刺激条件としてはこれまでの文献を基に最大加重を5gとし、3)5gに達するまでの時間として10秒(加重速度が速い)と20秒(加重速度が遅い)の比較を、生後8週、 10週、12週、13週の4点で行った。その結果を示す。まず測定環境に関して測定週数を経て比較した場合、暗室で測定した際マウスが逃避行動を示す刺激加重に有意なばらつきが認められたが、明室では刺激加重が均一であった。また、測定時間のばらつきに関しては、暗室で行うよりも明室で行う方が有意差は見られなかった。次に加重速度に関しては、10秒と20秒において刺激加重の差は見られなかった。 以上より、明室の方が刺激加重および測定時間は安定し、加重速度には差が認められなかった。また、今回の実験を通して室内の環境条件などの検討も行え、当科での測定条件が整った。今後、今回得られた条件を基に研究を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今回、従来と比べてより客観的に痛みを評価できる方法を取り入れ、その条件設定に時間がかかってしまったことと研究時間の不足が原因で、「光感受性イオンチャネルを発現させた遺伝子改変マウス(Tgマウス)の神経障害性痛モデルの作製とfMRIによる評価」に取り組めていない。今後、その先の実験に進む予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後、ダイナミックプランターによる神経障害性痛モデルマウスの痛み評価を終え、Tgマウスの神経障害性痛モデルの作製とそれを用いた実験に移行する予定である。もし仮に痛みの再現性に難渋した場合は、通常のマウスで作製した神経障害性痛モデルマウスで既に得られている所見を基に、Tgマウスの神経障害性痛モデルマウスで比較検討することを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、研究機関の1つである星薬科大学へ行く回数が予定より少なかったこと、論文投稿ができていなかったことなどが理由として挙げられる。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度繰越し金 208千円を、消耗品費 108千円(実験動物 108千円)、旅費 100千円(研究打ち合わせ旅費 100千円)に分けて使用する予定である。
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