マウスの脳より海馬を摘出し、スライスを作成した。これを人工脳脊髄液で潅流した状態で、顕微鏡下にCA3領域の錐体細胞に対してパッチクランプを行い、細胞電流を記録した。ベースラインの記録後、潅流液にミダゾラム(0.2μM)を加えて再度電流を記録した。 ミダゾラム投与により、10~20pAの基線上昇がみられ、ミダゾラムのTonic電流増強効果が示された。GABAA受容体α5サブユニット阻害薬であるL-655708(50nM)を投与したところ、Tonic電流の減少がみられた。すなわち、海馬神経細胞においてL-655708はミダゾラムのTonic電流増強効果に拮抗する作用を持つことが示された。
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