脊髄前角にてマイクロダイアライシスを行い、脊髄虚血後に脊髄前角のグルタミン酸濃度が直ちに上昇することを明らかにした。同時に下肢の運動誘発電位を測定し、脊髄虚血により運動誘発電位が抑制されることを確認した。上肢、下肢を駆血することによるremote ischemic preconditioning (RIPC)を行うと、脊髄前角でのグルタミン酸濃度の上昇、運動誘発電位の低下が有意に抑制され、RIPCが脊髄虚血予防に有用である事を発見した。またこの脊髄虚血予防効果がNMDA受容体拮抗薬投与により有意に抑制される事から、RIPCの脊髄保護効果にNMDA受容体が関与する事を発見した。
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