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2017 年度 実績報告書

NMBAsの中枢神経への影響の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15K20058
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

新城 武明  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70624914)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードプロポフォール / アポトーシス / 酸化ストレス / 抗酸化酵素
研究実績の概要

本研究の目的は神経筋遮断薬(NMBAs)が神経筋接合部だけではなく、中枢神経系にも作用を及ぼすか否かを解明することである。予備検討の段階ではロクロニウムの処置によりアストロサイトのグルタミン酸取り込み能の上昇が認められていたが、検討を続けた結果、増加傾向は観察されたが、有意な差は認められなかった。また、NMBAsの一種であるスキサメトニウムを用いて同様の検討を行ったが、やはり有意な差は認められなかった。以上の結果より、NMBAsは培養アストロサイトにおいてグルタミン酸取り込み能には影響を与えないと思われる。
当初予定していた神経筋遮断薬(NMBAs)が中枢神経系に及ぼす影響の評価の研究は有意なデータが得られなかったため、新たな実験系を追加した。酸化ストレスによる細胞障害に対して麻酔鎮静薬であるプロポフォールが保護作用を持ち、その保護作用がもたらされる細胞内シグナルを解明する研究に変更した。ラット心筋H9c2細胞に過酸化水素を投与してアポトーシスを誘発する酸化ストレスモデルを作成した。この酸化ストレスモデルにプロポフォールを加えて抗酸化酵素であるHeme oxigenase 1 (HO-1)およびその上流因子であるNF-E2-related factor 2 (Nrf2)の発現を測定した。プロポフォールを暴露させると過酸化水素誘導性のアポトーシスが減少した。 過酸化水素の曝露によりHO-1の発現が誘導されたが、プロポフォールを処理するとさらにHO-1発現量が増加した。また、プロポフォール処理でHO-1遺伝子発現を調節するNrf2の発現が上昇し、さらにNrf2の核における局在が促進された。 ラット心臓H9c2細胞において、プロポフォールは、Nrf2 の発現を亢進し、核への移行を促進することで抗酸化酵素の発現量を上昇させ、酸化ストレスから細胞を保護することが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Propofol induces nuclear localization of Nrf2 under conditions of oxidative stress in cardiac H9c2 cells.2018

    • 著者名/発表者名
      Takeaki shinjo
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 13 ページ: -

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0196191.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] プロポフォールは、酸化的ストレス条件下でNrf2の発現および核局在を誘導する2018

    • 著者名/発表者名
      新城 武明
    • 学会等名
      日本麻酔学会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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