研究実績の概要 |
本研究課題は,メラトニン及びラメルテオンの小児麻酔後覚醒時せん妄予防効果を明らかにするために,平成27年度から平成30年度にかけてメタ解析とランダム化比較試験を連続的に行う計画である. メタ解析研究は平成27年度に終了しており,その結果を同年のヨーロッパ麻酔学会で発表するとともに,European Journal of Anaesthesiology誌(査読付き英文誌)に論文発表した.結果の概要としては,(1)メラトニンの麻酔前投薬による小児麻酔後覚醒時せん妄予防効果はプラセボと比較した場合にリスク比が0.31(95%信頼区間:0.16 - 0.60)であること,(2)現在までのエビデンスの蓄積はいまだ不十分であり,確定的な結論を得るために必要な症例数の22%程度までしか集まっていないことが分かった.平成28年から継続してランダム化比較試験を遂行している.目標症例数は50症例であり,平成29年末の時点で目標症例数の80%まで集まっている.平成30年度途中で目標症例に達し,結果を報告できる見込みである. 雑誌論文 Mihara T, Nakamura N, Ka K, Oba MS, Goto T. Effects of melatonin premedication to prevent emergence agitation after general anaesthesia in children: A systematic review and meta-analysis with trial sequential analysis. Eur J Anaesthesiol 2015;32:862-71.
|