研究課題
治療抵抗性を呈した前立腺癌で特異的に活性化している分子経路の探索を行う為、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)転移巣4検体、正常前立腺組織5検体、未治療前立腺癌組織5検体について、次世代シークエンサーを用いた解析を施行した。さらに、これらを比較することで、CRPCにおいて特異的に発現変動するマイクロRNAの探索を行った。特に、CRPCにおいて有意に発現低下するマイクロRNAを抽出し、マイクロRNA発現プロファイルを作成した。このプロファイルには、ゲノム上で近接し、クラスターを形成するマイクロRNAならびに、これまで機能しないと考えられていたマイクロRNAのパッセンジャー鎖が含まれていることが分かった。このうち、miR-221/222-5p/3pに着目し、解析を継続した。これらマイクロRNAを前立腺癌細胞に核酸導入すると、有意に癌細胞の増殖・遊走・浸潤を抑制し、前立腺癌における癌抑制型マイクロRNAであることがわかった。次に、マイクロRNAの標的遺伝子探索のため、公共のデータベース解析、マイクロアレイ解析を組み合わせ、バイオインフォマティクス解析を施行した。その結果、miR-221/222-3pにより制御されるEcm29見出した。前立腺癌臨床検体でEcm29が高発現していることを見出した。siRNAを用いた解析では、Ecm29をノックダウンすることで前立腺癌細胞の遊走・浸潤を抑制し、前立腺癌の新規治療標的となる可能性が示唆された。今後、このプロファイルに登場するマイクロRNAについて解析を継続し、更なるCRPC治療標的分子の探索を継続する予定である。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 2件、 査読あり 11件、 謝辞記載あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
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