動脈硬化による骨盤内血流低下は過活動膀胱を発生させ、その後に低活動膀胱へ移行すると考えられている。動脈硬化の存在しない条件下で排尿筋過活動自体が排尿筋低活動を発症させる可能性を、ラットを用いて検討した。 10週齢雌性ラットの膀胱内にカルバコールを持続注入して排尿筋過活動モデルを作製した。カルバコール膀胱内持続注入により頻尿、一回排尿量の減少を認め、膀胱条片の高カリウム刺激、カルバコール添加、経壁電気刺激による収縮力は膀胱壁の単位重量あたりで評価するとコントロール群に比較して低下していた。動脈硬化の存在しない条件下で排尿筋過活動は排尿筋低活動を誘導することが示唆された。
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